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2024.01.15
マイスター・ハイスクール

非認知能力ワークショップの開催

本校は、マイスターハイスクール事業の目的の一つとして、事業を通じて生徒の潜在的な非認知能力を伸ばす試みを行っています。非認知能力は、学力やIQといった数値で認識できる認知能力以外の能力を指し、忍耐力、自制心、創造性等のことを言います。

AIやDXの進展とともに、知識を問う認知能力よりも、正解のないものを探究しつづける力である非認知能力の向上が大切だとされ、認知能力よりも非認知能力の強化が生涯賃金に好影響を与えると教育経済学の分野では考えられています。

今回、令和3年度に協定を締結した滋賀大学のデータサイエンス学部と連携し、埼玉県で30万人を対象に実際に行われている非認知能力アンケートを事業の実施前・後で収集し、データ分析を行い、一般社団法人インパクトラボ(※)と協力して令和5年12月14日にワークショップを開催しました。

ワークショップの目的は、生徒一人一人の非認知能力カルテを通じて、今の自分と比べて当時の自分がどのような考え方であったかを振り返る非認知能力ギャップを示して自分自身を見直しながら、自分の強み、弱みは何かを認識し、グループワークを通じて互いの魅力を発見し合うことによって客観的思考やメタ認知能力を磨くことにあります。

生徒は、非認知能力ギャップがあるほど、自身の能力に興味関心を抱き、自分の将来との繋がりを考えられる機会になりました。

非認知能力は、部活動や日常生活の中でも高められるため、非認知能力の伸びが直接、マイスターハイスクール事業の成果に結びつくものではありませんが、この事業で抱いた「社会に必要とされている」という自己肯定感や自己効力感は、少なからず非認知能力の向上に寄与していると思われます。

非認知能力のデータ分析は、ある意味、科学的根拠を持った教育政策の一つと考えており、今後も引き続き経年でデータ収集、分析を行っていく予定です。

現在、一部企業では、EQと呼ばれる心の知能指数で職員の能力を図る取組も行われており、今後、人物評価をするに当たって非認知能力のデータ分析が内外問わず重要な役割を担っていくと考えております。

 

令和5年12月

彦根工業高等学校校長 大久保 貴生

  • インパクトラボは、研究・教育・実践の側面からソーシャル・インパクトを起こす一般社団法人で、主にSDGsに関する研究や事業、政策提言を行う大学生を中心とした組織です。